坐骨神経痛は足腰に痛みや痺れを発生させる厄介な疾患です。
坐骨神経痛の患者さんのお話を聞いていると右足だけ、もしくは左足だけなど、片足だけに限定して坐骨神経痛の症状が発生するという事が多く、疑問に思っている人もおられると思います。
そこでこのページでは、坐骨神経痛の症状が片足や片側だけに限定して発生しやすい理由について説明させていただきますね。
興味のある人は是非参考にして下さい。
坐骨神経痛は片足だけに発生する事の方が多い
先生、私は右足だけに痛みや痺れが出ていて、左足には全く症状が出ないんですが何でなんですか?おかしいですよね?
何もおかしくないですよ。
そもそも、坐骨神経痛ってほとんどの場合は片足に症状が偏るものなんです。
右足に出るか?左足に出るかは人それぞれですけどね。
坐骨神経痛は腰部周辺の骨や軟骨の変形によって、神経を圧迫した事で発生していると考えられています。
神経の圧迫の仕方は人によってそれぞれなんですけども、一番多いのは椎間板という軟骨が変形する事によって、脊髄から足の方に伸びている神経の出入り口を圧迫するパターンです。
この脊髄から足の方に伸びている神経の出入り口は左右一つずつあり、その内の左右のどちらかを圧迫して坐骨神経痛が発生するので、症状は左右のどちらかに偏る事が多いんですね。
この椎間板の変形によって、神経の出入り口を塞いで圧迫してしまう状態を腰椎椎間板ヘルニアといいます。
聞いた事がある人も多いですよね?
坐骨神経痛が出ているという事はヘルニアなどが関わっている可能性が高い
え?先生、私は坐骨神経痛は出ていますが病院でヘルニアとは診断されていないんですが・・・
そうですね。
病院で坐骨神経痛と言われたけど、ヘルニアなどの診断はされていないという人は非常に多いと思います。
実はレントゲンやMRIなどの画像検査で異常なしと病院の先生が言ったとしても、ヘルニアなどの診断基準というのはお医者さんによって結構バラバラです。
神経を圧迫している箇所があったとしても、手術する程の大きい問題じゃなければ異常なしと診断される事も珍しくありません。
実際、お医者さんに聞いた事のある話ですが、手術をするべきかどうかを診断の基準にしている人は多いそうです。
つまり、本当は腰椎椎間板ヘルニアの可能性が高かったとしても、手術するほどの重症例じゃ無ければ異常なしと言われる事が多いという事ですね。
ただし、坐骨神経痛が出ているという事はどこかで神経を圧迫している箇所が存在しているという事なんで、ヘルニアと言われていなくてもヘルニアになりかけている。もしくは、軽度のヘルニアの可能性は高いと思います。
そして、このヘルニアから発生する坐骨神経痛は右足だけ、左足だけというように、片足に症状が偏る事が多いのが特徴なんです。
坐骨神経痛やヘルニアは決して珍しい疾患ではない
片足に偏る坐骨神経痛はヘルニアなどが関わっている可能性が高いというお話をすると、不安になったり心配になったりする人は非常に多いと思います。
確かに、腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は非常に厄介な症状を発生させますが、実はそんなに珍しい疾患ではありません。
それこそ、気が付いていないだけでヘルニアの人って世の中にいっぱいいると思います。
大事なのはその症状が重症化しているかどうかです。
実際に手術しなければいけないほどの大きな神経圧迫じゃなければ、無症状になる人もいますしヘルニアがあっても無症状で気がついていない人も多いんですね。
坐骨神経痛が出ているんであれば、ヘルニアなどの骨や軟骨の問題が関わっている可能性は非常に高いのですが、お医者さんからヘルニアだと診断されていないのであれば、おそらくまだそこまで神経圧迫は進行していないという可能性が高いんだと思います。
つまりは、改善する可能性も高いという事ですね。
そのため、過度に不安に感じたりしないようにして下さい。
両足に坐骨神経痛が出ているのであれば・・・
先生、私は片足に症状が偏っているんですが、反対側の足も少し坐骨神経痛のような症状を感じます。これは何でしょうか?
坐骨神経痛というのは多くの場合片足に症状が偏るんですが、両足に出るという人もいます。
その場合は、もし神経の圧迫が腰椎椎間板ヘルニアから発生しているのであれば、最低でも2か所以上神経を圧迫している可能性が高いという事になります。
当然、1か所だけよりも何か所も神経を圧迫している方が少し重症度は上がっている可能性が高いですね。
また、坐骨神経痛を発生させる疾患で最も多いのは椎間板の変形によって発生する腰椎椎間板ヘルニアですが、他にも坐骨神経痛を発生させる疾患は存在します。
例えば、脊髄の中にある神経のトンネルそのものが変形して神経を圧迫してしまう脊柱管狭窄症。
もしくは、背骨が変形して背骨の一部が前に滑ってしまって神経を圧迫してしまう腰椎分離すべり症。
など、これらの疾患によっても坐骨神経痛は発生しますし、これらの症状は坐骨神経痛が片足に偏らずに両足に出やすい特徴を持っています。
ヘルニアと単純に比較は出来ませんが、個人的には脊柱管狭窄症や腰椎分離すべり症などの方が厄介な事が多い印象があります。
つまり、両足に坐骨神経痛が出ているという事は、坐骨神経痛の発生原因である神経圧迫の状況が少し重症化してきている可能性が高いという事ですね。
坐骨神経痛は一般的には片足に偏るものですが、もし両側に感じた場合は注意して下さい。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
坐骨神経痛が発生しているという事は、骨や軟骨の変形によってどこかで神経を圧迫している可能性が高いという事になります。
坐骨神経痛を発生させる神経圧迫の原因は腰椎椎間板ヘルニアである事が最も多く、この腰椎椎間板ヘルニアは脊髄から足に伸びている神経の出入り口の左右どちらかを圧迫して発生するので、症状は右足か左足の片側に偏る事が多いんです。
ただし、何か所もヘルニアが発生している人の場合は、両足に坐骨神経痛が出るという事もあります。
また、ヘルニアではなく脊柱管狭窄症や腰椎分離すべり症によって坐骨神経痛が発生している場合は、両足に症状が出やすい傾向があります。
単純比較はしにくいですが、いずれもヘルニアよりは少し厄介な可能性が高いと思います。
まあ簡単に言えば、片足にだけ坐骨神経痛が出るのは不思議な事じゃなく、むしろ当たり前の事なんです。
逆に両足に坐骨神経痛が出ている方は、少し疾患の重症度は高くなっている可能性が高いので、もし両足に症状を感じている場合は注意して下さいね。
このブログでは他にも坐骨神経痛でお悩みの人向けに情報発信しています。
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また、私は大阪府豊中市で坐骨神経痛の治療を得意にしたよしだ柔整治療院を経営しています。
坐骨神経痛の治療はそれなりに得意にしていますので、通える範囲にお住まいの方は遠慮なくご相談下さい。