先生、坐骨神経痛ってどんな症状が出るの?
ざっくりした質問ですが、私が患者さんによく聞かれる事の多い質問の一つです。
坐骨神経痛ってどこかで名前は聞いた事あるけれど、結局どういった症状が坐骨神経痛なのかを知っている人は意外と少ないと思います。
そこでこのページでは坐骨神経痛とはどういった症状なのか?筋肉痛との違いについて簡単に説明させていただきますね。
坐骨神経痛はどんな症状が出るの??
坐骨神経痛とはどういった症状が出るのか?
この質問、実はかなり答えにくい質問です。
何故なら、坐骨神経痛は人によって症状の感じ方や痛む場所、痛む条件も本当にバラバラで色々な症状が出ます。
そこでここからは、坐骨神経痛の可能性のある症状をざっくり挙げていきますね。
坐骨神経痛の痛む場所
まずは坐骨神経痛の痛む場所についてです。
腰から下の下半身のどこに症状が発生してもおかしくありません!!
すごく雑な説明ですけど本当に下半身のどこにでも症状が出ます。
例外的に太ももの真正面だけは、坐骨神経の通り道じゃないので症状が発生しにくいですが、それ以外は下半身ならどこでも症状が発生する可能性があります。
具体的には、お尻、股関節、太もも、膝、ふくらはぎ、スネ、足首、足の甲、足裏、足の指などなど、これらのどこにでも症状が発生する可能性があります。
厄介なのは、この全ての場所に必ず症状が発生するという訳ではなく、人によっては足裏や足の甲だけ、ふくらはぎだけなど、部分的にのみ症状が発生する事もあります。
膝に痛みがあるから、膝の問題だと思っていたら実は坐骨神経痛だった。
足が痛いから足首の捻挫か何かと思っていたら坐骨神経痛だった。
などなど、坐骨神経痛は痛む場所が広範囲に部分的に発生する事も珍しくありませんので、他の疾患と間違えられてしまう事もよくあります。
ぶっちゃけて言うと、痛む場所だけで坐骨神経痛か他の疾患かを区別する事は非常に困難です。
坐骨神経痛はどんな時に出やすいのか?
痛む場所の次は、どんな事をしている時に坐骨神経痛は出やすいのか?
坐骨神経痛が発生しやすい動作や姿勢、痛む条件について説明させていただきますね。
はい。この痛む条件も人によってバラバラで統一性が無いのが坐骨神経痛です。
例えば、座っていると坐骨神経痛が出やすいという人もいれば、座っている時が最も楽だという人もいます。
逆に立っているのが最も辛いという人もいれば、立っている方が楽に感じる人もいます。
歩く事が出来ないという人もいれば、歩いていると症状がマシになるという人もいます。
腰を曲げた時が一番痛いという人もいれば、腰を曲げると楽になる人もいます。
腰を反る動作も同様で、反る動作で痛みが強くなる人もいれば逆に楽に感じる人もいます。
寝ている姿勢も、仰向き、横向き、うつ伏せ、それぞれの姿勢が人によって楽だったりしんどかったりします。
このように人によって本当に痛む条件もバラバラなんです。
何故かと言うと、坐骨神経痛というのは腰の骨や脊髄の変形などによって神経を圧迫してしまい、その影響で発生すると考えられています。
その神経の圧迫している箇所や、角度によって痛む条件は人によって大きく違ってしまうんですね。
まあこの辺の話は説明すると長くなりますので、またの機会に。。。
坐骨神経痛の症状
痛む場所や痛む条件が人によって全然違う坐骨神経痛ですが、症状の方はどうかと言うと、、、
痛む場所や条件と同様に、症状の方も人によってバラバラで色々な症状が発生します。
ここからは坐骨神経痛の可能性がある症状を私が知っている限り挙げていきます。
あなたが思っている以上に多種多様な症状が発生しますので驚かないで下さいね!
ビリビリ、ズキズキ、ジンジン、筋肉の張り感や突っ張り感、電気が走るような痛み、こむら返りのような痛み、筋肉が一瞬引きちぎられるような痛み、痺れ、重怠い、鈍痛、熱く感じる、冷たく感じる、触っても感覚が鈍い、ふらつき、ムズムズ、ぴくぴく痙攣、力が抜ける、足が上がらない。
ぱっと思いつく限りざっくり説明させてもらいました。
驚きですよね?
これらの症状は全て坐骨神経痛として発生する可能性のある症状です。
めちゃくちゃ多いんです。
これらの症状のどれか一つでも当てはまっていれば、その症状は坐骨神経痛の可能性があります。
先生、これだけ人によって色々な症状が出るなら誰でも当てはまるんじゃないでしょうか・・・?
いやー、、、本当にその通りです。
でもここまでで挙げてきた坐骨神経痛の特徴っていうのは、決して大げさではないんですよね。
もちろん、坐骨神経痛じゃなくてもこういった似たような症状を感じる事だってあります。
つまり、坐骨神経痛は痛む場所も痛む条件も、発生する症状も人によって本当にバラバラで統一性のない症状を出す為、別の疾患と間違えて放置されやすい疾患でもあります。
そこでここからは、坐骨神経痛の症状と単なる筋肉痛との違いについて説明させていただきますね。
坐骨神経痛と筋肉痛との違い
坐骨神経痛は筋肉痛のような症状を発生させる事もありますので、実は初期や軽度の坐骨神経痛の場合は単なる筋肉痛と間違えられる事も珍しくないです。
ただ、いくつか単純な筋肉痛とは違った特徴も当然あるので、その違いを探してもらえれば自己診断に役立てて頂けると思います。
1 痺れや感覚異常が伴っている
坐骨神経痛の特徴的な症状の一つとして、痺れや皮膚の感覚がぼやけていたり、熱く感じたり、冷たく感じるなどの感覚異常があります。
これらの症状は単なる筋肉痛だけでは発生しない症状ですので、もし筋肉痛のような症状と一緒に痺れや感覚の異常を感じた場合は坐骨神経痛の可能性が非常に高いと思います。
分かりました!痺れがあれば坐骨神経痛で、痺れがなければ筋肉痛ですね!
えーと、半分正解で半分間違いです。
坐骨神経痛が出ていても必ず痺れが発生するという事ではありません。
痺れや感覚異常は坐骨神経痛の症状として有名ですが「坐骨神経痛=痺れ」と勘違いしている人は意外と多いので要注意です。
痺れが発生していれば、単なる筋肉痛では無いとほぼ断言出来ますが、痺れが無いから筋肉痛という事は断言出来ないので気をつけて下さいね。
2 ライン上に発生するぼやけた痛み
坐骨神経痛の症状は坐骨神経の通り道に沿って発生する事が多く、ピンポイントで明確にどこかが痛いというよりもライン上にぼやけて痛む事が多い印象を持っています。
先生、私は何となくこのへんが痛く感じるんですが・・・
このように、なんとなくこの辺が痛いと訴える患者さんの場合が坐骨神経痛の人には多いんです。
また、坐骨神経痛は坐骨神経が通っているライン上に症状を発生させますので、その坐骨神経の通り道のどこに発生してもおかしくありません。
その特徴から、痛む場所が微妙に日によってコロコロ変わる事もあります。
それと比べると単純な筋肉痛の場合は、明確に「ここが痛い!!」というピンポイントで発生する事も多く、また痛む場所が途中で変化する事もまずありません。
もちろん、あくまでもそうゆう人が多いというだけで、坐骨神経痛の症状でも明確にピンポイントで痛みを感じている人もいます。
でも、単なる筋肉痛で痛む場所が変わったり、痛む場所が何だかはっきりしない事はまずあり得ないと思いますので注意して下さいね。
3 何週間も継続している痛み
この特徴は非常にシンプルです。
単純な筋肉痛の場合であれば、その症状が何週間も継続するという事は考えにくいと思います。
このページを読んでいるあなたも、筋肉痛は今まで生きてきて何度も経験した事があると思いますが、どんなに長引いたとしても1週間から2週間もすればほぼ回復するでしょう。
筋肉というのは人間の体の中では比較的回復力の高い組織なんで、何週間も痛み続けるというのはちょっと考えにくいです。
そのため、3週間から4週間、1か月以上も継続している痛みなのであれば、単純な筋肉痛というのは考えにくいと思います。
何週間も何か月も続いている痛みなら坐骨神経痛を疑った方が良いという事ですか?
その通りです。
下半身に何週間も何か月も継続してる痛みがあれば、私は坐骨神経痛を疑います。
と言うより、単純な筋肉痛ではあまり考えにくい症状である事は間違いありません。
勿論例外もありますよ。
スポーツなどで大きな負担が日常的に加わっていれば、坐骨神経痛じゃなくても筋肉痛のような張り感を継続して感じるという事はあると思います。
ただ、明確に原因になっているような物事に心当たりが無い状態で、何週間も何か月も症状が継続しているのであれば坐骨神経痛を疑っても大げさでは無いと思いますよ。
4 寝ている時など安静時の痛み
通常の筋肉痛というのは、痛めている筋肉に負荷をかけた時に症状を感じる事が多いかと思います。
まあ簡単に言えば、足に体重をかけた時に痛みが発生したり、足を動かそうとした時に痛みを感じる事が多いですよね?
ただ、坐骨神経痛の場合は痛い場所に負荷をかけていない寝ている時など、安静時でも症状を感じる事が多い疾患なんです。
寝ている時に痛みを感じた場合は筋肉痛ではあり得ないという事ですか?
余程強い筋肉痛であれば、寝るのも痛いという事はあり得ると思います。
かなり久しぶりに本気でスポーツをやったら、体中が筋肉痛になって夜寝る時も痛かったなんてエピソードはそう珍しくないと思いますので。
ですがそんなに強い筋肉痛であったとしても、それだけ強い症状を出すのは長くて2,3日ぐらいでしょう。
やはり一般的には筋肉痛はその痛む筋肉に負荷をかけた時に症状を感じるのであって、寝ている時に継続して症状を感じている場合は単なる筋肉痛ではなく、坐骨神経痛を疑った方が良いかと思います。
ただ、あくまでも坐骨神経痛は筋肉痛と比べて安静時にも症状を感じやすいという事であって、絶対に安静時に症状を感じる訳ではありません。
寝ている時にも何らかの症状を感じた時は坐骨神経痛を疑うべきですが、安静時に症状を感じなければ坐骨神経痛じゃないという事ではありませんので注意して下さいね。
まとめ
さて、ここからは簡単なまとめです。
このページでは、坐骨神経痛の症状について説明させていただきました。
ただ、坐骨神経痛は色々な症状を発生させる為、逆にこのページを読んで何が何だか分からなくなったという人も多いかと思います。
そこで、単純な筋肉痛との違いについても4つ説明しましたので、これを参考にご自分の症状が坐骨神経痛なのかどうかの判断に役立てていただけたらありがたいです。
この4つ以外にも他にも細かい事を言えば色々あるのですが、この4つの違いは実際に私がよく使う指標にもなっていますので、この内のどれかに当てはまっていれば坐骨神経痛の可能性は高いかと思います。
他にも坐骨神経痛に関して色々な記事がありますし、今後もどんどん情報発信していくつもりです。
もし、坐骨神経痛に興味がある人は是非他の記事も参考にして下さいねー。
また、ここからは完全に営業トークですが、私は大阪府で坐骨神経痛を中心に治療を得意にしているよしだ柔整治療院を経営しています。
どこに相談して良いのか分からない人は遠慮なくご相談して下さいね!!