坐骨神経痛で来院した患者さんに問診していると
痛かったのでストレッチを一生懸命したんですが、その後に余計に坐骨神経痛が悪化した気がします。
このように、ストレッチをして坐骨神経痛の症状が余計に悪化したというお話をよく聞きます。
実際にストレッチをしている事によって坐骨神経痛の症状の改善を遅らせている場合もありますので、このページではストレッチをすると坐骨神経痛が悪化してしまう理由について説明させていただきますね。
坐骨神経痛を感じている人にとってストレッチは負担が大きい
当たり前の話ですけど、体に負担をかければかけるほど坐骨神経痛の症状は悪化する可能性が高まります。
つまり、坐骨神経痛でお悩みの人がストレッチをした事によって悪化したのであれば、ストレッチが患者さんにとって大きな負担になっているという事です。
先生、たかがストレッチ程度が大きな負担になるんですか?
すごく良い質問ですね。
特に「たかがストレッチ程度」という単語が重要です。
ストレッチに限った事じゃないんですが、坐骨神経痛の人が「たかがこんな事で」という些細な動作が原因で症状が悪化するという事は珍しくありません。
実は坐骨神経痛の人は、普通の人に比べて些細な事で負担を感じやすい状態になっているんです。
強い炎症反応によって感覚が過敏になっている
坐骨神経痛が発生している人の場合は、炎症反応という反応が強くなっています。
炎症というのは神経を興奮させて、感覚を過敏にさせるという非常に厄介な特徴を持っています。
感覚が過敏になるとどうなってしまうのか?
普段では何でもないような弱い刺激や負担でも、体は過剰に痛みを感じやすくなってしまうんです。
そして、坐骨神経痛はこの炎症反応が強く発生しやすい疾患でもあります。
つまり、感覚が過敏になってしまっている坐骨神経痛の患者さんにとっては、「たかがストレッチ程度」の動作も人によっては大きな負担になってしまい症状を悪化させてしまうんですね。
筋肉の緊張をストレッチで和らげる事が出来れば坐骨神経痛が改善する事もある
先生、でもストレッチで坐骨神経痛が治ったという話をインターネットでもよく見ますけどあれは全部嘘なんですか?
いや、全部嘘という事は無いと思います。
ここまで散々ストレッチのリスクを説明しておいて言うのも何ですが、ストレッチによって坐骨神経痛の症状が改善する事もあります。
坐骨神経痛の症状の発生には、筋肉の緊張状態も大きく関わっています。
その為、その筋肉の緊張をストレッチによって柔らかく出来れば、症状が改善する事もあるでしょう。
実際に私は治療家として、坐骨神経痛の治療をする時に筋肉の緊張を和らげる事によって症状を改善していますので。
ただし、決して簡単ではないです。
先ほども言ったように、坐骨神経痛の人は強い炎症反応によって感覚が過敏になっています。
その為、とにかくその人にとって負担にならないような力加減が要求されます。
また、坐骨神経痛は人によって痛む条件や痛む場所も大きく異なります。
つまり、その人にとって負担になりにくい動きや、負担にならない最小限の力加減などの正解を引き当てる事が出来れば改善しますけど、、、
それを治療の素人である患者さんに高確率で行えるとは思えないです。
宝くじみたいなもんでしょうね。
世の中には「坐骨神経痛に効果がある」と言われているストレッチが山ほどありますけど、その中でその人に合ったやり方を引き当てる事が出来れば改善する可能性はありますが、失敗したら逆に悪化する可能性も高いんです。
個人的な意見ではありますが、ストレッチは確率的に有効性よりもリスクやデメリットの方が大きいと思います。
もちろん、中にはストレッチで坐骨神経痛が改善する人もいますので全否定はしませんよ。
ただし、逆に症状が悪化する人も非常に多いという事は理解した方が良いです。
もし、ストレッチを行うのであれば、結果が全てだと思って下さい。
ストレッチを行ってみて、少しでも症状が悪化した感覚を感じるのであれば今後は避けた方が良いと思います。
ストレッチで坐骨神経痛の症状が悪化しない場合は行っても良いのか?
先生、私はストレッチをしていて楽にもならないですが悪化もしません。これならストレッチは続けても大丈夫ですか?
ストレッチは坐骨神経痛を悪化させる事も多いけど改善する事もあるよと説明すると、こういった質問をよくもらいます。
こういった人の場合はストレッチを続けた方が良いのかどうか?
私はこういった効果も感じないし悪化もしないという人の場合も、ストレッチを避けた方が良いと思っています。
坐骨神経痛は非常に厄介な疾患ではありますが、軽症であれば安静にしていたり時間経過で自然に治る事だってあります。
でも、毎日のようにストレッチをしていると、この自然に治る事の邪魔になっている事も珍しくないです。
例えば、数か月間以上も坐骨神経痛を治す為に毎日のようにストレッチをしていた人が、ストレッチを止めた途端に症状が改善したなんてお話は山のように聞きます。
実際に私の患者さんでも、家でご自分で行っているストレッチを止めた途端に急激に回復する例なんて今までいっぱい見てきました。
私が治療する場合は、患者さんにストレッチや体操は治療の邪魔になる可能性もあるので止めてと言うぐらいです。
このように、例えストレッチで症状の悪化を感じなくても、症状の改善の邪魔をしている事は珍しくないんです。
何度も言いますが、ストレッチを全否定する気はありません。
ストレッチで症状が楽になる人もいます。
ですが、もし行うのであれば明確にストレッチの効果を感じる人だけにして下さい。
ストレッチをして坐骨神経痛が悪化するのであれば絶対に止めて下さい。
ストレッチをして効果も感じないし、悪化もしないという場合も、改善の邪魔になっている可能性もあるので止めた方が良いです。
明確に効果を感じている人の場合は続けても良いかと思います。
まとめ
ここで簡単にまとめさせていただきますね。
坐骨神経痛は炎症反応が強くなりやすい疾患です。
炎症反応が強くなると感覚が過敏になってしまい、些細な刺激が大きな負担になりやすくなってしまいます。
たかがストレッチ程度の負担であっても、感覚が過敏になっている坐骨神経痛の患者さんにとっては悪化の原因になる事も珍しくありません。
もちろん、ストレッチで坐骨神経痛が楽になる事もあります。
ただし、非常にリスクの高い方法である事は理解して下さい。
もしストレッチを行うのであれば、単純に結果で判断しましょう。
ストレッチをして明確に楽になったなどの効果を感じるなら継続して良いかと思います。
ストレッチをして坐骨神経痛の症状が悪化した場合は、当然ストレッチをすぐに中止して下さい。
ストレッチをして効果も感じないし、悪化する事もないのであれば、自然治癒の邪魔になる事もあるので中止した方が無難です。
最後に営業トークですが、私は大阪府豊中市で坐骨神経痛の治療を得意にしたよしだ柔整治療院を経営しています。
坐骨神経痛は症状の発生に関わっている筋肉の緊張を改善すれば、治る可能性のある疾患です。
もし、通える範囲にお住まいなのであれば遠慮なくご相談下さい。